なみなみさんから記事が投稿されましたーーーーーーーーーーーー( ゚▽゚)/

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雪山登山『中級者』への扉を開く、北八ヶ岳の『天狗岳』へ
単独行テント泊に行ってきました。


2月25日(金)夜に自宅を出発して、翌深夜、登山口の「渋ノ湯着」。
車の中で仮眠して、26日(土)早朝より登山開始。
午前中にテントを張り、その日のうちに頂上を制し、
27日(日)は、すばやく下山して、温泉も入って
高速渋滞の前に家へたどり着くという計画です。

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計画通り、事が運び、26日(土)の朝7時半に登山口へ立ちました。
登山口から結構雪が積もっています。

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写真は、「渋ノ湯」の旅館、渋御殿湯の女将です。
早朝6時から、駐車料金を徴収してまわる働き者です。

駐車場代は、1日1,000円です。
1泊するので2,000円も払いました。
八ヶ岳は、駐車場もテント代(1人1,000円)も
北アルプスなどに比べて、えらく物価が高いです。

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登山計画書を登山口の箱に入れて、
アイゼンを付けて、いざ! 出発です。

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この橋を渡ると、すぐに急な登りが始まりました。

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天気は最高です。
木々の間から陽がさしてきて、雪がまぶしいです。

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天狗岳は初心者でも登りやすいので、
中高年を中心に、多くの人が登っていました。

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今回新調した『ガテンタオル』。
頭に巻きやすいようにデザインされているので
ズレなくてめちゃくくちゃイイです。
ガテン系のお店で見つけました。

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雪は深いですが、登山道は踏み固められているのでとても歩きやすいです。

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登山口から2時間で、黒百合ヒュッテに着きました。
ここでテントを張って、ちょっと休憩したら
最小限の荷物だけ背負って、頂上アタックに行きます。

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P2265297テント泊の手続きをしました。
なかなか雰囲気のある山小屋です。
柱とゴザが渋いです。
ここは山の雑誌でも
取材される人気の山小屋です。



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ヒュッテの目の前の場所が、
薪が積んであって風よけに最適なので
ここにテントを張ります。
ついに・・・記念すべき・・・雪山・・・初テントです。

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まずは平らに整地します。

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写真は手作りしてきた竹ペグです。
雪には普通のペグが効きません。夏山のようにロープを結ぶ重しの石もありません。
写真では垂直に刺さっていますが、これを水平にして雪の下50cmくらいのところへ埋めます。
雪を足で踏み固めながら埋めていくとペグが効いてきます。
翌朝にはガッチリ効いていて、撤収の際の掘り起こしが面倒でした。
この竹ペグを6カ所設置するので
雪のテント設営は、手間がかかって夏より時間がかかります。

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とりあえず、内張りを張って
食料をテントの中に綺麗に並べてみました。
お酒は、500mlの発泡酒2本と350mlのペットボトルにワインをつめて持ってきました。

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雪用の外張りをはって、
風が入らないようにテントのふちに雪をかぶせて出来上がりです。

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頂上アタックの前に、
ドーナツとカロリーメイトで
腹ごしらえです。


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テント場から徒歩10分足らずで。中山峠に着きました。
ここから森林限界を越えて、吹きさらしになります。

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目指す『天狗岳』は、東天狗と西天狗のふたつの頂があります。
左の黒い岩の向こうが東天狗、右の白いのが西天狗です。

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大きな岩場を慎重に通過します。
すれ違う下山者が口々に「上は風が強いよ〜」と言ってます。

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風の影響で雪が尾根からはみ出してヒサシのように積もった「雪庇(せっぴ)」がありました。
視界不良の時に迷い込んだら、足を踏み外し、谷底へ真っ逆さまです。

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風はだんだん強くなりますが、なにしろ天気がいいので最高の気分です。
雪はサクサクとして、足の感触も気持ちがいいです。

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他の登山者の皆さんはピッケルを持っていますが
俺はストックで頑張っています。

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この日は、たくさんの飛行機雲が紺碧の空を飛んでいました。
赤と黒で決めている中高年の団体さんも絵になります。

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東天狗の頂上が目の前に迫りました。

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テント場から1時間足らずで、東天狗の頂上へ着きました。
荷物が軽いと全然楽勝です。


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東天狗から見た西天狗です。
西天狗には、いったん下って、登り返します。
20分くらいの距離です。
天気もいいし時間もたっぷりあるので、両頂を制覇します。

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尾根道を歩きながら撮った1枚。
足で蹴られて舞い上がった雪がキラキラと輝いています。
中央の奥に見える、ぽっこり出ている山は、八ヶ岳の盟峰「赤岳」です。
赤岳はピッケルを持って登っていないと、登山者や山小屋の人に怒られる本格的雪山です。
天狗岳を無事制覇したら、次はあそこです。
でも、俺はピッケルは持っていないのでどうしましょう?

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お昼12時50分、ついに西天狗も制覇しました。

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発泡酒で乾杯です。
風が時々止んで、無風状態にもなります。
気温は低いですが
体感気温は、ポカポカして天国のような場所です。

北アルプス、南アルプス、中央アルプスがズラリと見渡せました。
でも富士山は、赤岳に遮られているため見えません。

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視界は360度。雲がひとつもありません。
これ以上ない最高の天気です。

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頂上を散策しています。
膝まで埋まるところもありました。

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走ったりして、歓びをアピールしています。

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ふとみると、ピッケルが!・・・
天からの授かりものか?・・・

残念ながら、ちょっと離れたところに登山者を発見。
山の神様からの贈り物ではなかったです。
『あ〜! ピッケルが欲しい』

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2つのピーク。
左が赤岳、右が阿弥陀(あみだ)岳。
赤岳には、去年の6月(夏山)に妻と子供と3人で登っています。
その時に、子供から『山は卒業』と宣言されてしまいました。

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ところで俺のケータイは、山では100%圏外だったのに
この西天狗岳の頂上ではアンテナが2本たっていました。
そこで、家に登頂成功の電話をしたところ、
なんと子供が「ノロウイルス」にやられて寝込んでいるそうです。

子供が寝込んでいるのに・・・
気持ちのいい山頂で、なんと1時間近くも過ごしてしまいました。
さて、テント場へ戻ります。

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あっという間にテント場へ降りてきたら、
ご近所さんが増えていました。

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気を取り直して、恒例のポテチ&ビールです。

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そして、腹が減ったので鍋をつくります。
まず、雪をとかして、沸騰させます。

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あらかじめ刻んできた野菜を投入。
ネギ、白菜、椎茸、ニラ、豆腐でキムチ鍋をつくりました。
おいしかったです。カラダも暖まります。

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午後4時。
ちなみに気温は、マイナス2度です。

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『天狗岳あったか計画』その1
ガテン系お店で買ったフェルトの靴下?です。
テント内で履く用です。300円。
足先の冷たさ対策に、これはよかったです。
MMBさんの車中泊にもおすすめします。

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そして登山中の夏靴の中には・・・
『天狗岳あったか計画』その2
断熱銀紙シートとミニホカロンです。

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さらにさらに!
『天狗岳あったか計画』その3
登山靴に、靴下! 作戦。
100円ショップで売っているデジカメなどを入れるふわふわのクッションケースです。
見た目はかな〜り不格好で、登山道で人とすれ違う度に雪の中へ足を隠したほどですが・・・
効果アリ! のアイテムです。
今回、全然足が冷たくありませんでした。

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でも、みなさん
夏の靴で雪山へ行ってはいけません。
決して真似はしないでください。
凍傷の危険性があります。

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午後4時。
おなかが満たされ、酔っぱらって、かなり気持ちがいいので
ヒュッテ黒百合の中を物色しに行きました。

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登山を終えた団体さんがストーブでウエアを乾かしています。
雪山ならではの風景なのでしょう。

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かりんとうとお茶(ほうじ茶?)のセット300円を注文。
1時間ほど、まったりと山小屋の中で過ごしました。

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いよいよ、雪のテントで夜を明かします。
寝袋の下には、マットと梱包材に使うプチプチを重ねて敷きましたが
さすがに雪の上に寝ているので、冷気がひんやりカラダに浸透してくる感じです。

そこで、寝袋の中にエマージェンシーシートという
アルミの緊急ビバークシートを入れて下半身をこれで包み、
足の裏にホカロンを貼り、靴下2枚とフェルトの靴下を履きました。
上半身は、ユニクロのヒートテックとフリースを着込み、
その上にハードシェルを着て、別のフリースを寝袋の中に広げて敷いて、
なおかつ、背中と左右の脇腹にホカロンを貼りました。
足のつま先と首と背中と脇腹を暖かくするとぐっすり眠れるようです。
頭には目出し帽子をかぶって、手は毛糸の手袋をしています。

作戦が効をそうして、寒さで目を覚ますことなく眠ることができました。

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でも、夕方5時半くらいに寝てしまったので
夜9時頃トイレで起きてしまいました。
星がすごかったので少しだけ写真を撮りましたが
星の写真は、露出時間など試行錯誤が多くて
いい写真を撮りたい気持ちと
それを邪魔する凍えるような寒さとの戦いでした。
寒さに負けました。

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翌朝6時半です。
モソモソと、ご近所さんは起き出して早くも出発の準備をしています。

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テントの外に出したとたん
パリッとペットボトルが凍りました。
テント内は、0度くらいだと思いますが
外はマイナス10度です。

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朝日が差してきました。
今日は、8時すぎには下山開始して
渋御殿湯の温泉につかって、
ノロで倒れている子供を看病?するために早く帰ります。

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本日の下山道もキラキラと雪が輝いています。

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予定より早く、1時間ちょっとで降りてきました。
日帰り入浴は10時からなので、どうしようか迷いましたが
30分前にもかかわらず、御殿湯のご主人が入っていいよとOKしてくれました。
頼んでみるものです。ラッキー!

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定刻より早いため
入浴客が誰もいないので撮影してみました。
この小さい湯船は、硫黄が強くていいお湯だけど
冷たいです。水です。
あれ? 冷泉しかないのかと思っていたところ・・・

何枚もの大きな板が被さった大きな湯船がありました。
お湯が冷めないようにフタをしているようです。
ここの温泉は、冷泉を湧かしているのでしょうか?

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一人分の板をめくって入〜浴。

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いい湯加減で、大変気持ちがよい温泉です。
極楽ひとりじめです。

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外へでると、長〜いツララを発見。
スターウォーズのようにツルギにして振り回していたら
他の登山者に目撃され、冷たい視線をあびました。

そして、10時半に帰路につき、ガラガラの高速を快調に走り、2時半に家に帰着。
ノロの子供は、幸いにも苦しみのピークは過ぎていて
俺のお土産のお菓子を『味がいまいち』『適当に選んだでしょ』と
妻と一緒になってクレームをつけました。

以上が、雪山中級者の扉を開けた『天狗岳テント泊山行』です。
ありがとうございました。